はじめに
今回は、キーエンス株価の今後の見通しを分析したいと思います。キーエンスはこれまで、非常に強い上昇トレンドを形成してきており、2021年2月2日時点では、56460円となっています。
- この上昇トレンドは、どこまで続くのか?
という観点で、分析をしていきたいと思います。
キーエンスとは?
キーエンスとは、自動制御機器、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発および製造販売を行う企業です。「ファブレスによる柔軟な生産体制」で有名な企業でもあります。では、このファブレスとは一体どのような生産体制なのか?について解説していきたいと思います。
ファブレスによる柔軟な生産体制とは?
ファブレスによる柔軟な生産体制とは、自社工場を持たず、製造は国内と海外の協力会社にアウトソースするということです。
これによりキーエンスは、以下の強みを活かすことができるのです。
- 付加価値の高い商品を大量生産可能なこと
なぜかというと、自社で製造ラインをもつということは、製造ラインがドリブンとなる製品作りになりがちということです。
例えば、TOYOTAは車の製造ラインを持っているため、基本は、車のみの製造となります。
一方で、キーエンスは、営業とマーケティングが起点となり、製品企画書から最適な生産ラインを「選択」することができるのです。
そのため、より顧客のニーズに合致した製品作りが可能となっており、その結果として高い利益率を誇る企業へと成長してきたのです。
筆者は、キーエンスのモジュールや、機械はたくさん触ってきました。とても、痒いところに手がとどく、使いやすくて素晴らしい製品ばかりです。
しかも唯一無二に近いです。
オリンパスなどとバッティングしている領域もあるのですが、フィルタリング技術(画像処理)では、キーエンスの方が一歩上手だな・・・と個人的には感じています。といのもユーザ視点にたった、欲しい処理が、簡単に使うことができるように設計されているのです。
世界初・業界初を設計する高い技術力
- キーエンスが世に送り出す新商品のじつに7割が「世界初」「業界初」
キーエンスに頼むしかない。
こういった商品を作れる技術力とマーケティング力の高さがあるからこそ、高い利益率を誇ることができるのです。
では、具体的にキーエンスにしか作れない商品とはどのようなものなのか?について解説していきたいと思います。
例えばこちらです。
キーエンスは、高いマーケティング力から生み出される斬新なアイディアとそれを実現する高い技術力が特徴の企業です。
特にこのマーケティング力を支えるのが、キーエンスは代理店や販社を通さないということが強みです。
専門知識を持ったキーエンスの営業担当者が生産現場に足を運び、顧客の課題や悩みを直接お聞き、その隠れたニーズを吸い上げる。それを高い確度で顧客を満足する最適な設計を実現する。
キーエンスは代理店や販社これこそがキーエンスの強みといえるでしょう。
キーエンスのファンダメンタル分析
- キーエンスのファンダメンタルは、これ以上の企業はないくらい良いと言えます。
「顧客ニーズを汲み取り、それを具現化するということ」には、高い創造性が求められます。
私が、キーエンスを分析していて思うのは、アップルに似ているということです。
アップルは、水平分業スタイルで、自身の会社は、創造性の求められる部分だけを特化することで、高い利益率を誇っています。一方でキーエンスも多少、デザイン性などは異なるものの、ファブレスによって「創造性の求められる部分だけを特化する」ことで高い利益率を誇るという点で非常に似ていると思っています。
概要
キーエンスは、驚異的な自己資本比率です。財務基盤は、これ以上ないくらいしっかりとしていると言えます。
- 良い点
- 自己資本比率:96.7%
- ROE:10.7%
売上高・利益
キーエンスの成長力は、凄まじいです。こんなに企業見たことないくらい高い成長率を誇っています。
- 良い点
- 売上5y CAGR・実績:54.7 %
- 営利5y CAGR・実績:54.2 %
- 純利5y CAGR・実績:57.2 %
EPS/ BPS・配当・健全性
- 良い点
- EPS/BPS右肩上がり
- 増配傾向
- 自己資本比率は90%以上で推移
キーエンスのテクニカル分析
日足チャート
これまでのチャート形状を確認すると、MACDをベースにトレードは良い傾向を示していることがわかります。
また、トレンドラインを意識した買い圧力が入っているため、今回ももうそろそろ買いが入るのか?が確認のポイントです。
このトレンドラインを大きく割るようであれば、注意が必要です。トレンド転換が意識されると思います。
- 押し目を形成するか?というタイミング
- 5,25日移動平均線はデッドクロス
- MACDは売りシグナル継続中
モメンタム
モメンタム的には、そろそろ下げ止まりの傾向を示しています。
ここから押し目買いを狙うのであれば、出口は、モメンタムの値が5000を目標値にするのが良さそうです。
月足チャート
モメンタム
過去最高のモメンタムとなっており、若干減速気味です。若干注意が必要です。モメンタムは、先行指数として機能することが多いので、ここから株価が短期的に、下がる可能性もあります。
また、前回は12,24ヶ月移動平均線が綺麗に重なり上に離れました。(下画像ハッチング箇所)
今後もしエントリーするなら、このように綺麗に支えられるのを確認してからを個人的には、狙いたいです。現在の価格は、少し乖離率が高いのて、下落のリスクが高いと判断できます。
キーエンスの株価のモンテカルロシミュレーション
キーエンスの株価の5年分を使用し、モンテカルロシミュレーションで、今後の株価の見通しを分析します。
下のグラフは、キーエンスの株価の5年分です。
対数利益率を算出します。
- 縦軸:日ごとの対数利益率
- 横軸:日付
ここ2,3年は、非常に上昇を見せることがわかります。(縦軸の上方向に高いスパイクが確認できる)
年間利益率を算出したところおおよそ年利25%で推移しています。
モンテカルロシミュレーションの結果では、以下の値が予想されました。
- 2022年2月の株価は87386円と予想される
ちなみに同アルゴリズムにて、2015年1月-2020年2月までのデータを使用し、2021年2月の株価を推定させたところ、50300円の予想でした。現在の株価が56000円程度ですので、かなり精度が良いと判断できます。
キーエンスの株価のトレンド分析
キーエンスの株価に時系列における周期性がないかを確認するために、トレンド分析を行いました。
Trend(黒)を確認すると、非常に強い上昇トレンドであることがわかります。
また、seasonal(緑)を確認するとここから年度末にかけては、利益確定の動きがあるのが確認できます。ただし、これは、直近のコロナウイルスの影響による株価の下落が寄与しているので、注意が必要です。
ここから、イーエンスの将来の株価について予想していきます。
年度末までは、横に推移し、年度開けから再び上昇トレンドに転じるとの予想が算出されます。
現時点での価格は、高めで、利益確定により、若干下げる可能性もあります。下げのリスクは、52000円程度と言えるでしょう。
まとめ
今回は、キーエンス株価の今後の見通しを分析しました。
キーエンスのファンダメンタルは、トップクラスであると言えるでしょう。
- 高い利益率
- 高い自己資本比率
短期投資
今は控えた方が良いでしょう。上昇によるリターンよりも下落のリスクの方が高いと判断するためです。すでに、株に株を持っている場合は、ホールドと判断します。
長期投資
今は控えて良いでしょう。エントリーする場合は、3月末のエントリーを狙いたいです。
理由は以下です。
- 現時点では、短期足、長期足でみて、移動平均線の乖離率が高いため
- トレンド分析では、3月のエントリーが最適との結果が出ているため
モンテカルロミュレーションから、1年後の株価は、87386円との見積もりがあるため、積極的に狙いたい株であるのは、間違いないです。
投資に関してもっと知りたい、投資を始めてみたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。口座解説の方法やおすすめの証券会社について解説しています。
今回の分析に用いているプログラミング言語は、Pythonという言語です。こちらについて学んでみたいという方は、以下を参考にしてみてください。
今回の記事は、以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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