はじめに
パナソニックの株価が、1/21(木) に2年5カ月ぶり高値を更新しました。この理由の一つに、以下の報道があったためです。
新型コロナウイルスのワクチンを輸送・保管するための保冷容器を開発、今年度末から製薬会社や物流会社に試験提供し、早期の商品化を目指すと発表
参照元:https://news.yahoo.co.jp/articles/a97012774bd575b9886708c4458203131f69fc12
現在、そんな注目の的であるパナソニックの今後の株価の見通しについて、分析していきたいと思います。
パナソニックとはどんな企業?
パナソニックの事業セグメントは、以下5つに分かれています。
- 「アプライアンス」
- 「ライフソリューションズ」
- 「コネクティッドソリューションズ」
- 「オートモーティブ」
- 「インダストリアルソリューションズ」
アプライアンス
「アプライアンス」は、ルームエアコン、大型空調、テレビ、デジタルカメラ、ビデオ機器、オーディオ機器、固定電話、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、炊飯器、美・理容器具、コンプレッサー、燃料電池、ショーケース等の開発・製造・販売を行っています。
ライフソリューションズ
「ライフソリューションズ」は、照明器具、ランプ、配線器具、太陽光発電システム、水まわり設備、内装建材、外装建材、換気・送風・空調機器、空気清浄機、戸建住宅、集合住宅、分譲用土地・建物、リフォーム、自転車、介護関連等の開発・製造・販売を行っています。
コネクティッドソリューションズ
「コネクティッドソリューションズ」は、航空機内エンターテインメントシステム・通信サービス、電子部品実装システム、溶接機、プロジェクター、業務用カメラシステム、パソコン・タブレット、監視・防犯カメラ等の開発・製造・販売を行っています。
オートモーティブ
「オートモーティブ」は、カーナビ、カーAV機器、ディスプレイメーター、ヘッドアップディスプレイ、車載通信ユニット、各種車載スイッチ、車載センシングデバイス、ECU、車載エネルギーマネジメント機器、車載電池等の開発・製造・販売を行っています。
インダストリアルソリューションズ
「インダストリアルソリューションズ」は、制御機器、モーター、FAデバイス、小型リチウムイオン電池、蓄電モジュール、電子部品、乾電池、マイクロ電池、電子材料、半導体、液晶パネル等の開発・製造・販売を行っています。
パナソニックのファンダメンタル分析
概要
- 良い点
- ROE:10.5%
売上・利益
- 懸念点
- 売上5y CAGR・予想:-3.0 %
- 営利5y CAGR・予想:-14.2 %
- 純利5y CAGR・予想:-9.5 %
EPS/BPS・配当・健全性
- 良い点
- 配当維持
- ネットD純利益倍率:0.5倍
- 懸念点
- EPS,BPSが右肩下がり
2020年度 第2四半期 連結決算短信
- コロナウイルスの影響による減収・減益と厳しい状況
決算短信概要
パナソニックは、コロナウイルスの影響により、今後を見通しにくい状況と言えるでしょう。
また、米中貿易摩擦など、政治的・経済的の不確実性による不安面が大きい企業の一つです。
現在パナソニックが注力している投資先に「Blue Yonder」があります。
Blue Yonderとは?
- Blue Yonderとは、エンドツーエンドのサプライチェーン・ソフトウェアの専門企業
- Blue Yonderの現行のLuminate™ソリューションを販売
- Luminate™プラットフォーム上で、需給の予測や、在庫・労働力の最適化、および業務効率化などを共同開発
パナソニックは、エンドツーエンドのサプライチェーン・ソフトウェアの専門企業であるBlue Yonder(ブルーヨンダー)に戦略的株式投資(20%)を行うことを決定し、本日、株主との間で最終合意に至りました。これはBlue Yonderの企業価値55億ドルに基づいた株式投資*で、パナソニックは限定的な少数株主として株式を所有、Blue Yonderの取締役会9議席のうち、1議席が与えられます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000011112.html
詳細はこちらの記事を参考ください。
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/10/jn201029-2/jn201029-2-2.pdf
トヨタ自動車と共同出資会社を設立している
- トヨタ自動車とパナソニックの共同出資会社「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ」
プライムプラネットエナジー&ソリューションズでは、自動車をはじめとした車載用の角形リチウムイオンバッテリーを開発、製造しています。
このリチウムイオンバッテリーというのが、電気自動車の中核部品であるため、非常に重要なキーテクノロジーとなっています。電気自動車で有名なテスラへもパナソニックは、部品供給している実績があります。
今後パナソニックの大きな成長が期待されている事業の一つなのです。
詳細は、こちらのリンク先を参照ください。
テクニカル分析
日足チャート
- 2021年年始に25日移動平均線をサポートラインに上昇トレンドが継続中
ボリンジャーバンド
現在は、ボラティリティが高くなっており、今からのエントリーはリスクが高い状態と言えます。
- +3σ上限付近で推移
週足チャート
- 2020年10月付近で13週平均線が26週平均線に支えられる形から大きく上昇してきた
月足チャート
- 現在12ヶ月移動平均線が24ヶ月移動平均線に支えられる形
パナソニックのチャートは、月足チャートで見ると下のようなトレンドラインが引けます。
現在下降ペナントで推移している可能性があります。
- 長期足のトレンドラインの上限付近
結論
パナソニックの株価の今後の見通しを分析してきました。
ファンダメンタルは、コロナウイルスの影響により少し厳しい状況と言えるでしょう。
しかし、以下二点は、今後の株価を決定付ける上で非常に重要な材料と言えます。
- Blue Yonder
- トヨタ自動車と共同出資会社
今後とも注視が必要でしょう。
短期投資
今は、ステイと判断します。現在株を持っている方はホールド、新規での購入は控えた方が良いでしょう。理由は、短期的にかなり強い上昇なので、下落リスクが高待っているためです。
現在の株価1400円に対し、上昇の見込みは、1800円まで、下落リスクは、900円程度まであります。リスクリワードの観点から、あまりいいエントリーポイントとは言えないでしょう。
長期投資
今は、ステイと判断します。現在株を持っている方はホールド、新規での購入は控えた方が良いでしょう。理由は、コロナウイルスによる不確定要素が大きすぎるためです。
また、今回の、新型コロナウイルスのワクチンを輸送・保管するための保冷容器を開発に伴う株価上昇は短期的なものと推定されるためです。
月足チャートも、現在レジスタンスライン上限の可能性もあり、しばらく調整が続くものと推定されます。このレジスタンスラインを抜け、サポートラインに変わるのを確認してからのエントリーが良いでしょう。
これから、株式投資を始めてみたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
株式口座の解説方法や投資の勉強方法などをまとめています。
今回の記事は、以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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