2020年のコロナウイルスの蔓延の影響を大きく受けた企業の一つとも言えるキヤノンの今後の株価を分析します。キヤノンの株を保有している個人投資家の方も多いのではないでしょうか?なぜなら、キヤノンは、高配当銘柄とも知られており、非常に人気の銘柄だったためです。
- なぜキヤノンの株価は下落したのか?
- 今後のキヤノンの株価の見通しはどうなのか?
- 今はキヤノンの株は買いなのか?
という観点で分析をしたいと思います。
結論
なぜキヤノンの株価は下落したのか?
キヤノンの株価の下落の主要因は、減配のためです。
今後のキヤノンの株価の見通しはどうなのか?
キヤノンの株価の今後の見通しは悪いです。いかに営業CFを改善するのかという施策の見通しが立っていない状況です。
今はキヤノンの株は買いなのか?
短期投資
キヤノンの株は今は買いでないです。短期的に下落の可能性が高いです。季節変動データが下落トレンドです。
長期投資
キヤノンの株は今は買いでないです。なぜなら、営業CFが右肩下がりのためです。また、トレンド分析より、現在は下落トレンドのためです。また、成長領域である医療分野の成長が乏しい状況のためです。
キヤノンってどんな会社?
Canonはキャノンではなく、キヤノンが正式名称の会社なんですね。笑
キヤノンは、精密機器メーカで、複写機やカメラ事業が主な収益柱の会社です。なので、リモートワークの流行により複写機の利用率が下がり、売り上げ大きく減少しました。一方で最近ですと、医療分野の進出もしており、この分野コロナ禍においても順調に推移していました。
また、この業界が進出する次の分野であるデジタルサービス事業に関しては、他社に比べると若干遅れ気味様相を呈している状況と筆者は分析しています。
オフィス、イメージングシステム、メディカルシステム、産業機器等の分野において、開発、生産から販売、サービスにわたる事業活動を営んでおります。
キヤノンの成長領域:医療分野
キヤノンは、基盤事業である画像診断機器について、米国を中心に販売力強化を図るそうです。
去年は、売り上げは、0.2%の成長。為替の影響で利益は、マイナス成長。あまり伸びているとは言えないですね。
メディカルシステムビジネスユニットでは、これまでに投入してきた一連の新製品により、需要の回復がみられ
※出典:2019年度 有価証券報告書「キヤノン」
た国内では販売を伸ばしましたが、欧州では第1四半期の販売が伸び悩みました。この結果、当ユニットの売上高
は前期比0.2%増の4,385億円となりましたが、税引前当期純利益は主に為替の影響により前期比7.4%減の273億円
となりました。
ファンダメンタル分析
- 30期超続いた増配が、減配したため大きく株価を下落させた
- 減配の理由は、営業CFが下がってきているため
- よって、営業CFの改善のための次の一手が鍵
キヤノンは、自己資本比率が高い経営スタイルで有名な会社です。ただ近年は、自己資本比率がだんだんと下がってきています。この背景としては、キヤノンは、高配当銘柄として有名で、利益が下がっていたのですが、配当は維持し続けました。そのため、自己資本が右肩下がりになった背景があります。そして2020年にコロナウイルスの影響により、減配を決定したため、大きく株価を下げることとなりました。それでも配当利回りは、4.3%となっており、なかなか高配当な銘柄と言えます。
良い点:自己資本比率53.2%
次にROEです。このセクターではROE5%は一般的な値と言えます。同業他社との比較から確認してみましょう。富士フイルムが、最も高い6.2%です。一方でリコーは、4.2%です。
企業 | ROE |
キヤノン | 5.0% |
富士フイルム | 6.2% |
リコー | 4.2% |
コニカミノルタ | ー |
その他の値も他社と比較してみましょう。営業利益率は富士フイルムの次にキヤノンがいい状況ですね。売り上げが、最も大きいのはキヤノンなので、固定費削減すれば、一時的には利益率が上がりそうではありそうですね。
ただそこで気になるのは、キヤノンの稼ぐ力です。そこで、営業CFを確認しましょう。
2017年をピークにここ2年は減少傾向です。今年も減少の見込みが高いので、あまりいい傾向とは言えないです。キヤノンの稼ぐ力は、減少しているとみていいでしょう。
そのような状況で増配を繰り返して、なんとか株価を維持していたので、配当性向が100%を超えている状況でした。これは、稼いだ利益をすべて配当に回すという意味が100%ですので、100%を超えると経営的にはNGです。一般的な配当性向の平均は、30%~40%ですので、かなり無理のある経営だったと言えるでしょう。そこで、今年等々減配したために、大きく株価を下げる結果となりました。
テクニカル分析
キヤノンの株価は、1630〜1950のボックス相場です。2020年12/01の11:11時点では、1857円です。
- MACDは売りシグナル
- RSI 50
一目均衡表を確認します。三役好転し、現在は雲を抜けて上にいる状態です。しかし、雲も薄くした抜けするリスクが高い状態です。雲抜けでエントリーした方は、雲を下に抜けるようであればロスカットを検討してもよいかもしれません。
移動平均線は、短期的な見通しは悪いが中期的には良い水準と言えます。
この三つ線が重なるように収束してからのエントリーが良いかもしれません。
- 5日線割れこみ右下を向いている状態
- 25日線れこみ右上を向いている状態
- 75日線は右上を向いてきた状態
短期目線では、サポートラインをした抜けし大きく下落している状況ですね。25日線に支えられるかが直近の確認ポイントと言えます。個人的には、5,25,75日線が綺麗に重なり支えられる形を形成してからのトレンドフォロー戦略がよいと考えます。よって、今はエントリーすべきときとは言えないです。
トレンド分析
キヤノンの株価のトレンド分析結果です。2018年から現在まで下落トレンド継続です。現在は、長期目線での買いエントリーは厳しそうです。このグラフが、右上をしっかり向いてからのエントリーで良いかと思います。
次にキヤノンの株価の季節変動データです。キヤノンは、11月下旬〜12月上旬にピークを迎えると言えます。今後は、下落トレンドです。
まとめ
キヤノンの今後の株価を分析しました。その結果、キヤノンの株価の見通しは、よくないです。理由は、営業CFの減少です。しかし、財務基盤はしっかりしているので、今後の改善施策次第では期待できます。投資に関しては、この施策による見通しがたってからでよいかと思います。
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