はじめに
「Python 実践データ分析100本ノック」はアマゾンでのレビュー数が100以上を超えていることから非常に有名なPythonの書籍だと言えます。筆者は、エンジニアであるため、すこし物足らない内容でした。なので、エンジニアというよりは、マーケティングの方がデータ分析したいという方にオススメだと思います。その理由を3つに分けて解説します。
「Python 実践データ分析100本ノック」の概要
本書は、実際のビジネスの現場を想定した100の例題を解くことで、現場の視点が身につき、技術を現場に即した形で応用できる力をつけられるように設計した問題集です。
本書の100本ノックを解くだけですぐに現場で活躍できるわけではありませんが、現場の感覚を身につけることで、ビジネスの現場に自然に入っていけるような力をつけられるはずです。
参照元:アマゾン
ウェブや入門書でデータ分析や機械学習を一通り学び、「アヤメの分類よりも役に立つデータを分析したい」「ビジネスの現場で技術がどう応用されるのかを知りたい」と思っている読者の方には、きっと役に立つのではないでしょうか。
項目 | ステータス |
おすすめ度 | ⭐︎⭐︎⭐︎ |
難しさ | ⭐︎(簡単) |
値段 | ¥2,640 |
「Python 実践データ分析100本ノック」は、マーケティングの方にオススメの理由①

マーケティングの方が、「実践」で頻繁に活用するコードに絞られているためです。
ただし、「実践」と言ってもさほど難易度は高くないです。「Pythonの参考書を1冊読んだり、入門研修を受けてみて、何となくPandas、Matplotlib、Scikit-Learnが使える」人が、知識を実践的なユースケースで定着させる目的の方にピッタリだと思います。つまり、ビジネスにおいてありがちなユースケースやデータでコーディングを実践的に学ぶのに、ちょうどよいレベルだと言えます。
pandasは、データ分析や、データの前処理に用いるpythonライブラリで、pythonを扱う上では、必須のスキルとなります。
Matplotlibは、グラフなどのデータ可視化に用いるライブラリです。グラフを使ったプレゼンテーションを行う場合に必要となります。エクセルでは苦手な三次元プロットまでできるのが非常に良いです。
Scikit-Learnは、今話題の機械学習をすることができます。しかも、数学があまり得意でないかたでも、簡単に扱うことができるので、マーケティングの方にもおすすめです。
「Python 実践データ分析100本ノック」は、マーケティングの方にオススメの理由②

データ分析の流れを体系的に且つ初心者の方でも理解できるレベルに噛み砕いた学習ができるためです。コーディングに限らず物事を学ぶときは、体系的に学ぶことで、理解が深まります。本書では、データ分析初心者向けでデータの確認、前処理、仮説、検証などの流れを一通り追える内容です。内容のレベルもそこまで難しくないレベルで一連の流れが学べる本はなかなかないのが実情です。一方で、本書はそこらへんが絶妙なレベルで記載されており、数学が苦手な初心者でも理解できるレベルだと思います。
例えば、ディープラーニングをやってみたいという動機で、プログラミング初挑戦の方が勉強すると挫折すると思います。なぜなら、ディープラーニングの書籍は難しいものが多いからです。そして、画像認識・映像認識・自然言語処理ができると言われても、マーケティングの方には、実用性がないことがほとんどだと思います。
データに基づき、売上予測を行いたい、といったマーケティング上のよくあるケースにフォーカスしている本書だからこそ、初心者の方でも理解できるレベルに噛み砕いた上で身につけるべき知識を選定しているため、無理なく体系的に学ぶことができます。まずは、マーケティングの方には、Excel作業で実現できることをpythonで実施できることが何よりも重要ですよね。
「Python 実践データ分析100本ノック」は、マーケティングの方にオススメの理由③

pythonによるデータ分析を普段のビジネスにちょっと生かしてみようという方向けのデータセットが題材のためです。普段の仕事のデータは、「汚いデータ」であることが多いです。例えば、欠損値があったり、記述形式がバラバラだったりと。本書では、まずデータの整形から触れており、1章の内容からすぐに仕事に活かせる内容となっているためです。
例えば、エクセルではデータが存在しないセルを空白にすることがあると思います。こういった欠損値の処理をどうするか?や、数字で構成されているデータの一部分が、”-“などの文字列が置かれている場合などです。プログラミングでは、文字列なのか数字なのか、データを整形しないと扱えない処理があります。
本書では、まずこの「汚いデータ」に対するアプローチに触れられているため、そのあとの学習がスムーズになると言えます。データ分析の世界では、もっとも重要な処理を最初に触れているのが非常に良い点です。
まとめ
「Python 実践データ分析100本ノック」のレビューをまとめました。本書は、エンジニアというよりマーケッティングの方でpythonを学習したい方におすすめな本と言えます。理由は以下三点です。
- マーケティングの方が、「実践」で頻繁に活用するコードに絞られているためです。
- データ分析の流れを体系的に且つ初心者の方でも理解できるレベルに噛み砕いた学習ができるためです。
pythonによるデータ分析を普段のビジネスにちょっと生かしてみようという方向けのデータセットが題材のためです。
今回の記事は、以上です。お読みいただきありがとうございました。
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