2024年4月、Pendleトークンの価格が大暴落し、多くの投資家が損失を被ったのです。一時は高い注目を集めていたPendleプロジェクトですが、この出来事を機に「オワコン」との声も聞かれるようになりました。
本記事では、Pendleの概要を解説した上で、大暴落の理由を分析し、新たなDeFiプロジェクトとして注目を集めるEigen Layerとの関係性を探ります。
Pendleの概要
- Pendleは、イールド・トークン化プロトコルとして2021年にローンチしたDeFiプロジェクトです。
Pendleの主な機能は、将来のイールドを現在の流動性に変換することで、ユーザーが利回りを最適化できるようにすることです。
Pendle では、利回りを伴う資産はプリンシパル トークン ( PT ) と利回りトークン ( YT ) の 2 つに分割されます。
このYTとPTはPendleで取引できます。
参考:Pendle Docs
Pendleの主な機能
- 利回りトークン化
上記で説明した通りPendleは利回り付きトークンをSY(標準化された利回りトークン)にラップします。これは、Pendle AMMと互換性のある基礎となる利回り付きトークンのラップされたバージョンです(例: stETH → SY-stETH)。次に、SYはプリンシパルコンポーネントとイールドコンポーネント、それぞれPT(プリンシパルトークン)とYT(イールドトークン)に分割されます。このプロセスはイールドトークン化と呼ばれ、イールドは別のトークンにトークン化されます。 - Pendle AMM
PTとYTはどちらもPendleのAMM経由で取引できます。 - vePendle
利回りデリバティブプロトコルとして、私たちはTradFiの金利デリバティブ市場(想定元本で400兆ドル以上の価値)をDeFiに導入し、誰もがアクセスできるようにしています。
DeFiで利回り市場を創設することで、Pendleは利回りの可能性を最大限に引き出し、ユーザーが次のような利回りを得ることができます。
- 固定利回りの獲得(例: stETHで固定利回りを獲得)
- 利回りへの投資(例: より多くの利回りを購入することでstETHの利回りが上昇することに賭ける)
- 追加のリスクなしでより多くの利回りを獲得(例: stETHで流動性を提供)
ETHの例
ユーザーは、利回りを伴う資産(stETH など)を Pendle に預けることで、PT と YT を鋳造できます。基本資産 (ETH など) は、PT と YT が鋳造される前に、利回りを伴う資産に自動的に変換されます。
例: ETH → stETH → SY-stETH → PT-stETH + YT-stETH
Pendleのトークノミクス
PendleのネイティブトークンであるPENDLEは、ガバナンス、ステーキング報酬、手数料の支払いに使用されます。PENDLEのトークン供給量は固定されており、インフレーションは発生しません。
Pendleが注目された理由は、イールド・トークン化という革新的な概念を導入し、DeFiユーザーに新たな投資機会を提供したことです。また、複数のブロックチェーンに対応することで、幅広いユーザーを獲得することに成功しました。
Pendleの暴落
しかし、2024年4月、Pendleトークンの価格は突如として暴落しました。わずか数日で、PENDLEの価格は40%以上下落し、多くの投資家が大きな損失を被ることになったのです。
Pendle価格が急落している理由
Pendle (PENDLE) の価格は、2024年4月29日時点で過去24時間で13.71%下落し、$4.49となっています。この急落には、Pendleの割り当てに関するEigenの情報に対する市場の反応と大口投資家による大規模な取引が影響していると考えられます。
参考:Big whale deposited PENDLE to Binance
Pendleの割り当てに関するEigenの情報と市場の反応
市場の反応は、以下であり、その結果暴落する形となりました。
大口投資家によるPENDLEの大量売却
オンチェーン分析によると、クジラが、Binance取引所に大量のPENDLEを預けていることが明らかになりました。 このホエールは、2回の取引で約784,231 PENDLE (約412万ドル相当) を送金しており、暗号資産コミュニティ内で市場への潜在的な影響について議論を呼んでいます。
EigenLayerのエアドロップに対する批判
- EigenLayerは、分散型ステーキングプロトコルを提供するプロジェクトですが、最近実施されたエアドロップに対して批判が集まっています。
トークンの譲渡可能性に関する懸念
エアドロップされたEigenLayerのガバナンストークンは、当初の6ヶ月間は譲渡不可とされています。この制限により、トークンの流動性が低下し、市場での価格発見メカニズムが機能しにくくなる可能性があります。
配分方法への疑問
エアドロップの配分方法についても、一部のユーザーから疑問の声が上がっています。特定のウォレットアドレスに大量のトークンが配分されていることから、公平性に欠けるのではないかという指摘があります。
プロジェクトの透明性と説明責任
EigenLayerチームは、エアドロップの配分方法や譲渡可能性の制限について、十分な説明を行っていないとの批判もあります。プロジェクトの透明性と説明責任が求められる中、コミュニティとのコミュニケーション不足が指摘されています。
失望のEigen Layerエアドロの動画
動画の内容を要約すると以下の通りです。
- Eigen LayerのエアドロップにおいてRainmakerという新しいプロジェクトが発表された。
- Rainmakerは、Eigen Layerのトークンをステーキングすることで、新しいプロジェクトのトークンを受け取れるというもの。
- しかし、エアドロップ参加者の多くはRainmakerの詳細が不明確で、期待していたものと違ったため失望した。
- 動画の投稿者は、Rainmakerについてもっと早い段階で明確な情報提供があるべきだったと指摘している。
- また、エアドロップの方法についても改善の余地があると述べている。
- 全体として、Eigen Layerのエアドロップとそこで発表されたRainmakerについて、参加者の期待とは乖離があり、コミュニケーション不足が指摘されている内容の動画であると言えます。
ただし、動画の説明文のみでは詳細な内容の把握は難しいため、これはあくまで推測を含む要約となります。動画の全編を見ることで、より正確に内容を理解できると思われます。
Eigen Layerとは?
Eigen Layerは、イーサリアムのセキュリティを再利用してミドルウェア層に提供するプロトコルです。主な特徴は以下の通りです。
Eigen Layerの目的と特徴
Eigen Layerは、以下を目的として開発されました。
- リステーキングを普及させ、イーサリアムのセキュリティを他のプロジェクトに提供すること。
- 分散性やセキュリティの課題を解決し、ユーザーが安全に取引やアプリケーションを利用できる環境を提供すること。
リステーキングとは、Ethereumのバリデーター自身がステーキングしたETHを、さらに別のサービスに再ステーキングできるというものです。
- バリデーターがイーサリアムにステーキングしたETHを、Eigen Layer上でリステーキングできる。これによりバリデーターは両方のネットワークから報酬を得られる。
- リステーキングにより、Eigen Layer上のプロジェクトはイーサリアムのセキュリティを借りることができ、バリデーター数の増加に伴いセキュリティが強化される。
- リステーキングの普及により、イーサリアムネットワークの分散性と安全性が向上する。
- 予測市場、ストレージ、ゲーミングなど、人間の判断や社会的合意が必要なアプリケーション(AVS)にセキュリティを提供する。
- ネイティブコインはステークされたETHを使用し、ゼロから信頼を構築する必要がない。
まとめ
2024年4月、Pendleトークンの価格が大暴落について解説しました。この急落には、Pendleの割り当てに関するEigenの情報に対する市場の反応と大口投資家による大規模な取引が影響していると考えられます。
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