はじめに
日本航空の今後の株価の見通しを分析します。現在の日本航空の状況をまとめると以下です。
- 日本航空は、現在コロナウイルスの影響により、非常に厳しい状況
- 業績は過去最大の赤字となる見通し
- 公募増資による資金調達の実施
この記事では、上場来最安値付近の価格となっている日本航空の株価を分析し、投資するべきか否について判断していきたいと思います。
筆者は、現在2021年1月現在、ショート(空売り)を検討しています。
その理由を以下で解説します。
2021年現在の日本航空の状況は?
2021年3月期第2四半期の連結業績(2020年4月1日~2020年9月30日)
- コロナウイルスによる世界各国は厳しい出入国制限による航空機(国際線)需要の消失
- 国内線も国際線ほどではないが、大きな需要の消失
日本航空の第2四半期の連結業績は、対前年比ベースで以下となっています。
- 売上:-74%
四半期包括利益合計額に関しては、-1454億円の赤字となっています。
コロナウイルスの影響を今もなお、大きく受けていることがわかります。
当第2四半期における国際旅客、国内旅客の事業ごとの状況
国際旅客、国内旅客ともに減少率がかなり高いです。
特に国際線の方が厳しい状況ということがわかります。これは、出入国制限の影響のためと言えるでしょう。
国際旅客(アジア発北米行き):
- 有効座席キロ:前年同期比88.1%減
- 旅客数:前年同期比97.7%減
- 有償旅客キロ:前年同期比97.2%減
- 有償座席利用率:20.8%
国内旅客:
- 有効座席キロ:前年同期比51.4%減
- 旅客数:前年同期比76.1%減
- 有償旅客キロ:前年同期比75.8%減
- 有償座席利用率:39.8%
連結輸送実績は、以下です。
ファンダメンタル分析
自己資本比率が、43.6%と財務基盤が良いのは良い点と言えるでしょう。
というのもJALは、2010年の経営破綻時に、以下の措置を受けているため、財務状況が良いのです。
- 会社更生法の申請による借金の棒引き等の7400億円の債務カット
- 3000億円の公的資金の注入などの政府支援
また、2020年11月6日に以下を発表しています。
- 公募増資で最大約1680億円調達
増資をすると、株式が希薄化するため、株価が下がる傾向があります。
実際、日本航空も大きく株価を一時的に下げました。
2020年の11月9日に株を購入できた方は、かなりの含み益になっていますね。
概要
- 良い点
- 自己資本比率:43.6%
売上・利益
- 懸念点
- 営利5y CAGR・実績:-16.7 %
- 純利5y CAGR・実績:-25.6 %
EPS/BPS・配当・健全性
- 懸念点
- 自己資本比率:43.6%
- 無配
- EPSの減少
テクニカル分析
日足チャート
少し気になるのは、1820円以下に大きな窓が空いていることです。
窓埋めの動きも懸念されるので、注意が必要です。
また、2000円付近に大きなボリュームがあるので、ここでの売り圧力が高まりそうです。
よって、今からの購入をしても、2000円位までの上昇の可能性が高いということです。
一方で下落リスクは1600円まであります。
つまり、リスクリワードの観点から、短期的には、あまり投資すべき時ではないことがわかります。
もう少し細かくみるために一時間足を確認します。
一時間足
1時間足で確認すると、若干ボリュームが大きい1870円のラインを下に抜けていることから、短期的には、下落リスクが高いと言えるでしょう。
もし、この銘柄で勝負するなら、ショートの方が良いかと思います。
また、このトレンドラインが機能しています。上昇トレンドになるには、まずはこのレジスタンスラインを抜けることが大切です。
このトレンドラインは、長期足のトレンドラインなのでかなり意識されているラインです。
次にショートの場合の利益確定ポイントを確認しておきます。
フィボナッチ・エクステンションから1800円を目標にできます。
一旦1900円付近まで戻って、トレンドラインと接触したタイミングのショートエントリーを検討したいです。
次に週足を確認します。
週足
このトレンドラインは、2020年6月から発生しています。
上昇に転じるには、まずこのトレンドラインの突破が重要です。
まとめ
日本航空の今後の株価の見通しについて分析してきました。
以下二点が、日本航空の株価を大きく下げる要因となっており、長期的(2年程度)は厳しい状況が続くのではないかと、私は予想しています。
- コロナウイルスによる世界各国は厳しい出入国制限による航空機(国際線)需要の消失
- 国内線も国際線ほどではないが、大きな需要の消失
短期投資
仮にエントリーするのであれば、ショートが良いでしょう。なぜなら、窓埋めの動きの可能性が高いと判断したためです。長期足での強いレジスタンスラインが確認できるので、ここは下にブレイクする可能性が高いと見ています。
ただし、投資は自己責任です。最後はご自身での判断をお願いいたします。
長期投資
今は控えて良いでしょう。厳しい状況かと思います。
投資に関してもっと知りたい、投資を始めてみたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。口座解説の方法やおすすめの証券会社について解説しています。
今回の記事は、以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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