はじめに
電源開発の株価が、2021年に入り大きく上昇しています。そこで以下二点を分析し、今後の投資の判断材料としたいと思います。
- 上昇理由は?
- 今後の株価の見通しは?
電源開発とは?
- 日本全国・世界各地で電気をつくっている会社です。
電源開発が手がける事業領域は以下に分かれます。
- 再生可能エネルギー
- 火力発電
- 原子力発電
- 通信・その他事業
- 海外展開
- 送変電
電源開発の発電設備出力は以下になっています。
2019年では、火力が減り、風力が増加しています。全体の割合からすれば微々たる変化なのですが、この風力などの再生可能エネルギーの割合をいかに増やすかが、電源開発の鍵となりそうです。
というのも、近年ESGの観点から、投資判断材料とすることが多くなってきたという背景があります。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。
限りある資源をなるべく使用せずに持続可能な社会にするために、化石燃料に大きく依存するエネルギー供給構造を変え、温室効果ガスの排出を今まで以上に削減する必要があるというのが世の中の強い意見なのです。
そのため、電源開発はESGの観点からは、厳しい目で見られていたのは確かでしょう。
FTSE4Good Index Series」及び「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄になる
しかし、2020年8月からすこし、その流れが変わりました。
電源開発株式会社(以下、Jパワー、本社:東京都中央区、代表取締役社長 社長執行役員:渡部肇史)は、このたびESG(Environment「環境」、Social「社会」、Governance「ガバナンス」)投資に関する代表的な指数である「FTSE4Good Index Series」及び「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に選定されました。
参照元:https://www.jpower.co.jp/news_release/2020/08/news200805-2.html
「FTSE4Good Index Series」は、環境・社会・ガバナンス(ESG)のグローバル・スタンダードを満たす企業への投資を促進するようデザインされた株式指数シリーズです。
これに組み込まれるということは、環境・社会・ガバナンス(ESG)のグローバル・スタンダードを満たす企業と認定されたということになります。
電源開発のファンダメンタル分析
- ファンダメンタルは悪くないです。
懸念点は、有利子負債が大きいことです。
概要
- 良い点
- PERが5.7倍と低い
- 配当利回り4.7%
- 配当性向32.5%
売上・利益
- 良い点
- 売上5y CAGR・予想:2.5 %
- 純利5y CAGR・予想:5.3 %
EPS・配当・健全性
- 良い点
- EPS右肩上がり
- 増配傾向
- 懸念点
- ネットD純利益倍率:34倍
テクニカル分析
日足チャート
- 5,25日移動平均線のゴールデンクロス後に大きな上昇
短期的には、どこまで伸びるのかが確認ポイントとなりそうです。
前回の上値が1715円となりますで、一旦はここが意識されると推定しています。
MACD
- 良いタイミングで買いシグナルとなっている
次の確認ポイントは、売り転換のデットクロスがいつなのか?を確認していく必要があります。なぜかというと今回のトレードはMACDを意識している方が多い可能性が高いからです。
ボリンジャーバンド
- 4σにタッチ
前回の高値は、4σタッチ後に下落トレンドに入っています。なので、今回も短期目的なら一旦利確で良いと判断します。
週足チャート
- 5と13週移動平均線で分析
この二つの移動平均線がゴールデンクロスしていません。過去もこの二つは何度かゴールデンクロスをトライしていますが、形成できていません。なので、直近はこのゴールデンクロスを確認することが重要と言えます。
月足チャート
MACD
- 売りシグナル継続
長期でエントリーするならば、過去にもあったように以下二点が成立してからのエントリーを検討したいですね。
- MACDのゴールデンクロス
- 5,25ヶ月移動平均線のゴールデンクロス
今後の見通し
- 結論:よいと思います。
急激に株価を上昇させるというよりは、緩やかな上昇で配当金を狙う銘柄と言えるのではないでしょうか。
なぜなら、成熟産業である一方で、株価上昇には再生可能エネルギーの比率を多くする必要があり、それなりの投資は必要と言えます。また、景気に左右されやすいセクターでもあります。なので、需給のバランスに鑑みながら徐々に成長していく可能性が高いと推定できるためです。
一方で今後売り上げを伸ばしていくのであれば、再生可能エネルギーの比率を高め、世界のシェアを広げることが必要となります。世界の発電電力の見通しとしては、右肩上がりなのです。この上昇のシナリオにのることが重要です。
2021年に入り強い上昇の理由は?
- 米上院で民主党が主導権を握る状況に近づいたことが好感されたためです
トランプ氏とバイデン氏の主張が大きく異なる一つが、地球温暖化対策でした。
トランプ大統領は、温室効果ガスによる気候変動を「科学的根拠がない」と否定的でした。そのため、2016年の大統領選挙において、シェールガス・シェールオイルの積極開発で米国をエネルギー輸出国にするとの公約を掲げていました。その結果原油価格はみるみると減少していきました。
これに対し、バイデン次期大統領は、地球温暖化対策の強化を打ち出し、それを米国経済の成長に結び付けるよう主張しています。この政策が実行に移された場合、国際社会に大きな影響を及ぼす可能性があるとの市場の見方からエネルギーセクターへの投資が集中しています。
まとめ
電源開発の株価について分析しました。その結果、以下と言えるでしょう。
- ファンダメンタルはそこまで悪くはないが、有利子負債が高く少しリスキーと言えるでしょう
- コロナの状況でも黒字で安定している&高配当銘柄なので、長期銘柄として検討したい
短期投資
今は控えた方が良さそうです。直近でボリンジャーバンド4σタッチで一旦下げる可能性が高いと判断したためです。
長期投資
もう少し待つのが良いかと思います。以下二点を確認してから大きな波に乗ることを狙いましょう。
- MACDのゴールデンクロス
- 5,25ヶ月移動平均線のゴールデンクロス
コメント
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