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日本たばこ産業(JT)の今後の株価の見通しを分析してみた【2020年】

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はじめに

配当利回り7%超えと驚異の利回りとなっている日本たばこ産業(JT)の今後の株価の見通しを分析します。長期投資家の方なら、一度は投資を検討したはずの銘柄ですよね。
タバコ産業は、ESGの観点から、非常に厳しい逆風が吹き荒れている産業となります。ただ、この配当利回りから、手を出したくなる銘柄です。
この日本たばこ産業(JT)に今から(2020年12月20日)投資はありなのかを分析したいと思います。

結論

短期投資

今はエントリーを控えた方がよいと判断します。

長期投資

今はエントリーを控えた方がよいと判断します。直近のエントリーポイントは月足チャートのサポートラインにタッチし、支えられるのを確認してから、良いと判断します。

日本たばこ産業(JT)の現状

まずは、こちらのグラフを参照ください。こちらは、日本の喫煙率の割合を示すグラフです。

  • 縦軸:喫煙率
  • 横軸:年代
参照元:http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html

ここからわかることは、昭和40年から喫煙者割合は減少傾向であるということです。日本の人口も減少傾向であることから、国内のたばこ市場は減少傾向であると言えます。
このことから、日本たばこ産業(JT)の利益を増やすには、以下三つの戦略しかないと言えます。

  • たばこの利益率をあげる
  • 海外市場開拓
  • タバコ以外の事業で軸を作る

海外市場開拓

そこで、日本たばこ産業(JT)のとっているキー戦略が「海外市場開拓」です。こちらは、2018年と2019年の海外の売り上げ実績です。この表から日本たばこ産業(JT)は、海外売り上げが伸びていることがわかります。

参照元:https://www.jti.co.jp/tobacco/import_data/index.html

つまり、国内の需要の低下を、海外で補おうとしていると言えます。

ただ、海外進出は大手海外タバコメーカには太刀打ちが厳しく、JTは、90年代からM&Aにて拡大した企業と言えます。実は、M&Aによる海外進出例として、JTは有名な企業なのです。

事業の多角化

日本たばこ産業(JT)は実は、タバコ以外の事業にも進出しています。売上でいうと、以下二つの売上の合計は、全売上のおおよそ11%に相当します。なので、JTへの投資を考える上での考慮度合いは低くて良いと言えます。

  • 加工食品
  • 医療

加工食品事業では、冷食・常温事業、調味料事業、ベーカリー事業の3つの事業を展開しています。冷食・常温事業の中心を担う「テーブルマーク(株)」では、冷凍麺、パックご飯、焼成冷凍パンといったステープルを中心に事業を展開し、より一層のおいしさづくりに取り組んでいます。調味料事業では、「富士食品工業(株)」を中心に、酵母等の天然素材調味料を中心とした幅広い商品をラインナップし、多岐にわたる分野でグローバルに事業展開しています。また、ベーカリー事業では、ベーカリーショップ「サンジェルマン」などの展開を通じて、素材や製法にこだわった焼きたてパンのおいしさを提供しています。

参照元:https://www.jti.co.jp/food/enterprise/index.html

JTは1987年より医薬事業に進出しました。自社にとどまらず、ライセンスパートナーをはじめとする国内外のネットワークやグループ会社との連携を活用した研究開発を推進するとともに、スムーズな製造・販売体制を構築しています。画期的なオリジナル新薬を創出し、一日も早く患者様にお届けすることを目指しています。

参照元:https://www.jti.co.jp/pharma/enterprise/index.html

JTの肝は海外タバコ事業の成長性

よって、ここまでの解説により、「JTの肝は海外タバコ事業の成長性」と言えます。

その海外タバコ事業の2020年2Qの情報がこちらです。
欧州を中心に着実にシェアを伸ばしていると言えます。ただし、ロシア、バングラディシュや新興国市場での販売数量の減少がマイナスポイントです。

参照元:https://www.jti.co.jp/investors/library/presentation/pdf/20201030_02.pdf

財務実績として、前年同月比で、プラス成長しています。堅調なトップライン成長(単価上昇や数量パパフォーマンスの押上)と販促費、間接コストの削減がプラス要因に働いたようです。

参照元:https://www.jti.co.jp/investors/library/presentation/pdf/20201030_02.pdf

ファンダメンタル分析

次に、日本たばこ産業(JT)のファンダメンタルを確認します。
現状は、かなり良いのですが、懸念点は将来性です。営業利益も減少傾向で、配当性向が高い。今の配当を維持できるかどうかが非常に大切なポイントとなりそうです。ここも海外たばこ事業の成長性にかかっていると言えそうです。

  • 良い点
    • 配当利回り:7%
    • ROE:14.3%
    • PER:12.7倍
  • 懸念点
    • 配当性向:78.5%
  • 懸念点
    • 売上5y CAGR・予想:-0.9 %
    • 営利5y CAGR・予想:-6.0 %
    • 純利5y CAGR・予想:-7.4 %

テクニカル分析

日足チャート

現在は、2020年6月につけた高値付近となっています。そのため、この高値を抜けてからのエントリーが良さそうです。なので2020年12月21日時点ではエントリーしない方が良いと判断します。

週足チャート

日本たばこ産業(JT)の週足チャートは、下落トレンドです。2018年から続いたレジスタンスラインんを上に抜いています。ここから上昇トレンドに転じる可能性あると言えます。

ただし個人的には、以下のような形状をの形成(赤丸)を確認してからエントリーしたいです。

月足チャート

日本たばこ産業(JT)の週足チャートから、現在の株価が安値圏と言えます。しかも、サポートラインを機能し、支えられて上昇トレンドに転じるかどうかという状況です。

ただ、一回目のトライで上昇トレンドに転じるってのは、少ないように思います。例えば、2009年2010年(水色丸)です。2020年も一旦この長期のレジスタンスラインに弾かれ、サポートラインに接したタイミング(赤丸)でのエントリを狙いがおすすめかと思います。

トレンド分析

季節変動データ(緑線)から4月中旬くらいのエントリーが良さそうですね。

株価予想データ

過去の傾向からの株価予想です。2021年の4月くらいまで下落トレンド入り予想です。
現在もバンド上限で推移していて、下落の可能性が高いと言えます。
短期でのエントリーは控えた方が良さそうです。

まとめ

この日本たばこ産業(JT)に今から(2020年12月20日)投資はありなのかを分析しました。

投資のポイントは、海外たばこ事業の展開です。なぜなら、売り上げ比率が高く、国内市場の減少を補填する必要があるためです。ここが補填できるかどうかが配当維持のターニングポイントとなります。

配当維持がない限り、JTの株価は、下げる可能性が高いです。

短期投資

今はエントリーを控えた方がよいと判断します。

長期投資

今はエントリーを控えた方がよいと判断します。直近のエントリーポイントは月足チャートのサポートラインにタッチし、支えられるのを確認してから、良いと判断します。

本記事は、以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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